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選手権で躍進した京都橘高校。彼らはなぜ足がつらなかったのか?

text by 河治良幸 photo by Kenzaburo Matsuoka

攻守の切り替えの早さを支えたものとは?


坂元美子さん

――選手権での京都橘高校はチームとして攻守の切り替えが早くて、サッカーそのものがスピーディな印象を受けていました。もちろんトレーニングの分野が大きくあるでしょうが、効率よく80分、90分続けられるための食事のサポート効果をどう考えていますか?

「疲れないで80分、90分を動き続けられるところは効果はあったと思います。京都橘の選手は後半に足がつらないんですね。絶えず動き続けていても足がつらないのは栄養の効果もあると心の中で思っていましたが、それを監督さんから言ってくれたのは嬉しかったですね。

 監督に『もともと体力があるんじゃないですか?』と聞いたところ、県大会の後半などはたくさんの選手が足をつっていたそうです。それから選手権前の合宿に帯同したわけですが、最後の日の食事を見ることができなかったので、写真を撮ってメールで送ってもらって、選手1人1人にアドバイスを返しました。

 以降は継続して意識付けを行ってきていたので、選手権の期間に足がつらない、最後までスピーディに動くことが出来るというのは1つ目的をクリアできたんじゃないかと思います」

――足をつらない要因をもう少し具体的に説明していただくと?

「先ほど話した通り、クエン酸を採ることで乳酸ができにくいということ。それからミネラル。筋肉の収縮に働くのがナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムです。日本では良く熱中症予防として水分と一緒に塩分を採りましょうと言われますが、塩を摂ればいいわけではないんですよ。

 日本人は食事で塩をたくさん採っているのでナトリウムは問題なく摂れるのですが、マグネシウムやカリウムが不足すると、体の中のミネラルバランスが崩れてけいれんを引き起こすんですね。ですので、そこは保護者の方にも話をして、できるだけミネラルを採ってもらうようにしています。カリウムは果物に多いんですけど、いつも食べられるものではないので、ドライフルーツなどで補うようには伝えていました」

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