【特集・3/11を忘れない】支援活動から思索する未知のサポーター像(前編)

今回の震災では多くのサポーターが被災地の支援に声を上げ、行動を起した。災害復興へサポーターはどのようにコミットしていったのか。その活動の一端を横浜F・マリノスのサポーターであり、NPO法人ハマトラの代表理事、震災を受けて立ちあがったFootball saves Japan事務局を務める清氏にリポートしていただく。

2013年03月09日(Sat)10時41分配信

text by 清義明 photo Kenzaburo Matsuoka
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『NPOハマトラとFootball saves Japanの被災地支援を通して』
今回の震災では多くのサポーターが被災地の支援に声を上げ、行動を起した。災害復興へサポーターはどのようにコミットしていったのか。その活動の一端を知ることは、サッカーを通じてつながり、サッカーを超えてうねりを生む「サポーター」の秘めたる可能性について改めて考えるきっかけになるのではないか。横浜F・マリノスのサポーターであり、NPO法人ハマトラの代表理事、震災を受けて立ちあがったFootball saves Japan事務局を務める清氏にリポートしていただく。


【後編はこちらから】 | 【フットボールサミット第3回】掲載

地震翌日に立ち上がったコミュニティ

 3月11日の東北地方太平洋沖地震発生の翌日。

 NPOハマトラが運営する「ハマトラSNS」(http://hamatra.net)の中で、「横浜サポーターにできること」というコミュニティが立ち上がった。

 ハマトラSNSとは、マリノスサポーター3000人超がメンバーとして参加しているWEBコミュニティのこと。普段はたわいもない日記やファン同士のやりとりなど、マリノスサポーターの交友の場となっている。それ以外にもマリノスの主要なサポーターグループが連絡用に使っているクローズドのトピックが開設され、試合日程のスケジュール管理に使われていたり、さらにはNPOハマトラの各種のプロジェクト(フリーペーパー制作やポスター掲示活動など多数)が、イントラネット(企業内ネットワーク)のように、このSNSを介して進行している。

 マリノスサポーターが震災の被災者や被災地に対してできることがないか? その問いかけはいつもの応援活動やハマトラのイベントなどへの呼びかけとは全く違う類のものであった。NPOハマトラが特に最近の活動のテーマとしている地域貢献のための活動とも性質が異なる。「横浜サポーターにできること」、そのトピックを表示するパソコンの背後のテレビは、まるでコンピューターグラフィックスでつくられた映像のような破壊の惨状を延々と映し出していた。

 ハマトラSNSのメンバー400人以上が、コミュニティが立ち上がったその日から意見を寄せはじめる。「横浜サポーターにできること」を模索する投稿は続いていった。

 いち早く「できること」として課題になったのは、被災地に対して支援物資を集めて届けることだった。慎重な意見もあったが、会社の同僚の消息がまだつかめていなかった、ゴール裏の中心的なサポーターグループのリーダーの強い意見で、実行に移されることになった。続いて、現地でのボランティアをマリノスサポーターから派遣することが検討された。時期尚早との意見もある中、被災地情報とボランティアの受け入れ状況を確実に把握することから、この活動はスタートすることとなった。

 募金活動についても、すぐに方針が決まる。自分たちではやらないという判断だ。数年前、Jリーグのサポーター全体を巻き込んだとある募金活動の顛末を、まだ皆、忘れていなかったのである。

 不治の病に冒された子供を救うため、各地のJリーグサポーターによって集められた多額の支援金の使途に関する暗い噂は未だ誰からも否定されていない。今回は、既存の募金活動に協力するということで簡単に議論は決着する。

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