これからのJクラブの経営モデル ~ハイブリッド型スポーツクラブの可能性~

2011年、J38クラブ中18クラブが赤字―― このような現状がある中で、Jクラブに新しい動きが生まれている。それが、株式会社と非営利法人の2つをバランスよく活用する、“ハイブリッド型スポーツクラブ”を目指す取り組みだ。行政書士の谷塚哲氏に考察していただいた。

2013年04月14日(日)6時38分配信

text by 谷塚哲 photo Kenzaburo Matsuoka
タグ:

これからのJクラブの新しい組織形態

ハイブリッド型スポーツクラブ

 今、Jクラブの組織形態に新しい動きがあるのをご存知だろうか? 株式会社であるJクラブとは別に、非営利法人(※1)である総合型地域スポーツクラブ(※2)を設立し、「株式会社×非営利法人」(図参照)という形態でクラブ運営を始めている動きがあるのだ。
※1 非営利法人……社団法人、財団法人、NPO法人など
※2 総合型地域スポーツクラブ……多種目多世代型の地域スポーツクラブ

 例えば湘南ベルマーレやセレッソ大阪、東京ヴェルディなどが実際に非営利法人である総合型地域スポーツクラブを設立し、その他数えるだけでも10クラブ以上がこの形に興味を持ち始めている。

 そもそもJクラブが株式会社でなければいけないという理由はどこにもない。Jリーグ参入基準を見ればわかるように、株式会社以外の法人格でも参入は認められる。実際にモンテディオ山形は、その形態は社団法人という非営利法人である。しかし山形以外のクラブはすべて株式会社となっている。

 なぜ株式会社なのだろうか? 株式会社であることのメリットとは?

 株式会社のメリットは主に2つある。資金調達と組織の支配である。一般的に株式会社は株式を発行し、たくさんの人々が配当を期待することで、資金を集めやすいと言われている。特に株式上場すれば全世界の人々から莫大な資金を調達できる可能性がある。

 最近、マンチェスター・ユナイテッドは上場により約182億円を集めた。また発行済株式の過半数を保有もしくは集めることで、株式会社の最高意思決定機関である株主総会での決定権を握ることができるのである。多額のお金を必要とするJクラブでは、お金は集めやすいにこしたことはない。

 また組織の意思決定の迅速さを考えれば、過半数の株式を保有することで、要らない意見を排除することも可能だ。これは、そのままJクラブとしてもメリットだと考えられている。しかし、地域密着を実現させるクラブにおいて、果たして本当に正解なのだろうか?

1 2 3 4

人気記事ランキング

        ↑top