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Jリーグ 11年前

大分トリニータ残留への切り札・松本昌也が描く未来予想図

text by 河治良幸 photo by Kenzaburo Matsuoka / Takuya Watanabe

勝利のカギを握る松本昌也

大分トリニータ残留への切り札・松本昌也が描く未来予想図
メキシコで行われたU-17W杯において、筆者の取材を受ける松本昌也選手。あれから1年10カ月、大きな成長を遂げJデビューを果たした。【写真:渡辺卓也】

 松本の動きを練習で観察していると、チームの中でも明らかに異なる特徴がある。マッチアップする相手のマークを1ステップで外し、小さいエリアにスペースを見出す動きだ。その資質は11年のU-17W杯を取材した時から実感していたが、J1の大分においても、その特徴は埋もれるどころか際だっている。

 現在の大分は中盤にトライアングルを形成し、その前に2トップが構える形だが、中盤がなかなか相手のマークを外せないために、2トップのポストプレーやサイドからの長めのクロスに頼り過ぎる傾向が強い。そこで松本の様な選手が相手を外す動きを繰り返せれば、中盤に攻撃のリズムをもたらすことができる。

 研究家の田坂監督が今後の試合において、松本をどのポジションで起用して行くかは選手構成のバランスや相手のスカウティング次第だが、非凡なスキルとビジョンを備える彼が存在感を増すほど、大分の攻撃にリズムとダイナミズムが生まれてくるはず。それはおそらく、大分が勝ち点3を狙うサッカーを継続しながら残留ライン、さらに上位へと浮上する“勝利のカギ”になるはずだ。

 大分で活躍し、代表で飛躍を果たすために遠慮は要らない。“積極性”と“向上心”を高く持って、挑戦を続けていくことを期待したい。

【了】

プロフィール

松本昌也(まつもとまさや)
1995年、大分県生まれ。2007年、JFAアカデミー福島に2期生として入校。U-16、U-17、U-19と各年代の代表に選ばれ、2011年にはU-17日本代表としてW杯に出場。今季より地元である大分トリニータに加入。4月13日、早くもJリーグデビューを飾った。


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