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【独占インタビュー】ブラジル代表MFパウリーニョ「日本戦は厳しい試合になる。去年ほどの点差はつかないだろう」

昨年10月の日本代表との一戦で、意表をつくシュートで先制点奪ったブラジル代表のボランチ、パウリーニョ。これから控えるコンフェデに向け、また日本戦に向け何を思うのか? セレソンのキーマンを直撃した。

text by 沢田啓明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

セレソンになるまでの苦労

 驚異的な運動量と球際の強さで相手ボールを奪うと、多彩なパスを配給し、あるいは力強いドリブルで駆け上がって攻撃を組み立てる。のみならず、自らもゴール前まで飛び出して、足で、頭で、積極的にシュートを放つ。ポジションはセカンド・ボランチだが、プレーメーカー、さらにはストライカーの役割までこなすポリバレントな24歳だ。

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昨年の対戦では先制点を挙げたパウリーニョ【写真:山田一仁】

 昨年10月、日本代表との強化試合に先発すると、前半12分、ゴール前中央やや左寄りの位置でMFオスカールからパスを受け、右足のアウトサイドにかけて強烈なミドルシュート。これがカーブを描きながらゴール左隅を破り、ブラジル代表に先制点をもたらした。

 決してエリートではない。生後すぐに両親が離婚し、母親の手で育てられた。17歳でリトアニアのクラブへ期限付き移籍したが、零下20度を下回る厳しい寒さと人種差別に苦しむ。その後、ポーランドのクラブへ移ったが出場機会に恵まれず、2008年、19歳で帰国。当時は全く無名で、サンパウロ州リーグ4部のクラブに拾われてキャリアをやり直した。

 全国リーグ2部のクラブを経て、2010年に名門コリンチャンスへ。しばらくは控えだったが、腐らずに練習を積み、翌年、レギュラー・ポジションを獲得。ほどなくチームの中心選手となり、この年の9月、代表に初招集された。

 わずか3年余りで、州リーグ4部からセレソンへ登りつめたのである。以来、セレソンの常連となっており、今年6月のコンフェデレーションズカップの出場メンバーにも選出された。

 昨年以降、欧州ビッグクラブからオファーが殺到しており、今年1月にはインテルが獲得を熱望して好条件を提示。一時はインテルへの移籍が有力視されていたが、最終的に本人がコリンチャンス残留を選んだ。

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