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2連勝のブラジルだが――。浮き彫りなったネイマール依存症

2連勝を飾り、早くもコンフェデのグループステージ突破を決めたブラジル。だが、メキシコ戦は低調なパフォーマンス。個の能力は高いが、そこへの依存が高いことが浮き彫りになった。

text by 下薗昌記 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

カナリア軍団を後押ししたサポーター

 ブラジル各地にデモが飛び火し、メキシコ戦が行われる直前にもカステロンスタジアムの周辺ではデモ隊と警官隊が衝突した。必ずしも「フェスタ(お祭り)」ムード一色ではなかったが、カステロンに集うサポーターたちは、ブラジル国内でも最もカナリア軍団を熱心に後押しする地域の一つ。

〈抗議運動はセレソンに対してではなく、腐敗に対するもの〉

 女性サポーターがこんなメッセージカードを掲げる光景も目についた場内で、最初に存在感を見せたのが5万人を超えたサポーターだった。

 あろうことか、ブラジル国歌斉唱の際に機械のトラブルで演奏途中に音が途切れるアクシデントがあったものの、観衆たちが圧巻の声量で国歌を歌い切り、ブラジルの選手たちを後押しする。

「音楽が止まったときサポーターが歌い続けてくれた。選手の誰もが感動した」(マルセロ)

 グループリーグの最終節で対戦するイタリア戦を前に確実に2勝を挙げておきたいブラジルではあるが、メキシコはスコラーリ監督が「我々にとって靴の先に入った小石」と評したように、近年、常に苦しめられてきた存在だ。

 2000年以降の対戦成績を見れば11回対戦し、ブラジルはわずかに2勝。6度の苦杯を舐めるなど相性が悪い相手でもある。

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