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ブラジルメディアがコンフェデの日本代表を総評。「現状ではW杯で上位には食い込めない」と厳しい意見も

コンフェデレーションズカップの3戦を終えた日本代表。開催地であるブラジルのメディアはザックジャパンをどうとらえたのか? 新聞、テレビ、WEBサイト、それぞれの総評を紹介する。

text by 沢田啓明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

スポーツ紙「ランセ!」“残り58分で4失点は伝統国ではありえない”

 国内最大のスポーツ紙「ランセ!」のロドリゴ・セルケイラ記者は、「組織力に優れ、戦術的にも良く訓練されている日本を高く評価していただけに、結果とプレー内容の両方で失望した」と肩をすくめる。

「現在の日本の最大の問題点が3試合で9失点を喫した守備陣にあるのは明らか。右SB内田はブラジル戦でネイマールのドリブル突破を封じるなどまずまずだったが、吉田、今野の両CBは高さ、強さ、スピードが物足りず、ポジショニングも悪かった。特に吉田の状況判断の拙さは目を覆うばかり。

 左SB長友は明らかにコンディションが悪く、攻守両面で本来のプレーを見せることができなかった。攻撃面では、本田が持ち前のキープ力を発揮し、積極的にシュートを放つ姿勢を見せたが、彼もコンディションに問題があり、試合の後半になると運動量が落ちてミスも増えていた。

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残り58分で4失点を奪われて逆転負けを喫する、というのは伝統国ではありえないこと【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 香川も、彼本来の積極的にゴールへ向かうプレーが少なかったし、守備面では彼のサイドが相手の狙い目となっていた。攻撃陣で最も良かったのが岡崎。傑出した技術があるわけではないが、次のプレーを予測する能力とゴールへの嗅覚が優れており、それが2得点に結びついた」と論評。

「チームとしては、試合運びの拙さが顕著だった。ブラジル戦の前半3分にネイマールに美しいゴールを決められてゲームプランを崩されたようだが、残り時間が87分もあったのだから全く言い訳にならない。

 イタリア戦は、前半32分までに2点のリードを奪ったわけだから、きちんとリスクマネージメントをしていたら当然勝っていた試合。残り58分で4失点を奪われて逆転負けを喫する、というのは伝統国ではありえないこと。

 代表選手の多くが欧州でプレーしているにもかかわらずこのような脆さをさらけ出すのは理解に苦しむ。強豪国とアウェーで対戦するなど、厳しい状況を頻繁に経験して国際経験を積み重ねる必要があるだろう」と指摘する。

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