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長友佑都 11年前

今季もレギュラー起用が濃厚。インテル新監督マッツァーリはなぜ長友佑都を信頼しているのか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

右サイドで向上したパフォーマンス

 注視すべきは内容だ。バレンシア戦はさておき、ここまでの練習試合では良い攻撃の組み立て方が出来ており、チェルシー戦の前半ではインテルが決定機の数で上回っていた程だ。そして長友も、新監督の戦術を順調に消化し、流麗に動けていた。

 27日のハンブルガーSV戦、そしてチェルシー戦では、3-5-1-1の右ウイングバックで起用される。ただピンツォーロの合宿から、彼は主に左で練習させられている。攻守両面で計算の立つ右アウトサイドがおらず、補強選手を物色中というチーム事情を加味し、逆サイドに回されている格好だ。

 昨季は左で伸びた一方、右では逆にリズムが取りづらくなっていた印象だったのだが、これが存外によく動けていた。グアリンがボールを持てば、それに呼応していち早くスペースへ飛び出す。逆に、自らパスを縦に出してグアリンを走らせるようなプレイも増えた。

 アザールと対峙しつつ、攻守が切り替わればスムーズにアシュリー・コールの裏のスペースへ顔を出す。組み立てに積極的に参与する右CBのカンパニャーロも加え、右の連動は良好。このまま右で固めてしまってもいいのではないかと思える程だった。

 また、判断の精度も良くなっている印象だ。相手にプレスを掛けられ、以前ならボールをこねた末に苦し紛れのバックパスで逃げたようなシーンでも、展開の拡がる相手をきちんと選んでボールを離すことが出来ている。

 左からのサイドチェンジにも素早く反応し、気持ち良く攻め上がれていた。新監督のスタイルについて長友は「攻撃では絶対にサイドを絡めることで、僕自身もやりがいがある」と語っていたが、その通りに絡めていた。

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