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日韓サッカー、そして旭日旗を考える。

先に行われた東アジア杯の日韓戦では、ピッチ外でのことも大きな話題となってしまった。韓国サッカーについて、そして議論を呼んだ“旭日旗”について、イタリア在住の憂国のジャーナリストが思いを綴った。

text by 宮崎隆司 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography 構成 編集部

韓国の姿勢への疑問

 私は歴史家でもその分野の学者でもない。よって専門的な見解を述べる立場にはなく、その資格を有さない一介のサッカー記者であるため、いわゆる「歴史認識」については本稿で述べない。したがって以下に記すのは、ただ単にサッカーを心から愛する一日本人(在外邦人)記者としての見解であり事実関係(過去の事例)の確認、あるいは少々の苦言をも含めた提言である。

 さて、先月行われた東アジア杯での騒動を受けて思い至った結論から申せば、「もうこれ以上、不毛な争いはやめるべき」。この一言に尽きる。

 その上で、以下にいくつかの理由を具体的に、かつ出来るだけ端的に述べさせていただきたいと思う。

 第一に、サッカーに対する韓国の姿勢そのものへの大いなる疑問、である。

 彼らの応援、のみならず選手達の行為がFIFA規約に抵触すると判断されるべき事例は過去にも決して少なくはなく、たとえば筆者のみならず実に多くの日本人が2年前の“あの垂れ幕”――「大震災をお祝います(ママ)」――を忘れ得ぬからこそ、今後も同様のケースが試合の度に見られるであろうことが100に近い確率で想定されるからだ。

 当然、そうした行為を中には「一部の心なき人がやったことだから」と擁護する向きもあろうが、もちろんそのような見方を全否定まではしないとしても、とはいえ、以下に記す事例が雄弁に物語るように、もはや看過するわけにはいかない域にまで達していると言わねばならない。

 不快感しか残さぬのが「日韓戦」であれば、それはまさに互いにとって不毛にして徒労。それ以外の何物でもない。

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