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今季も無冠か。65億円でエジル獲得もアーセナルが弱点だらけな理由

アーセナルが駆け込みで大物を獲得した。ドイツ代表のメスト・エジルだ。超がつくほどのビッグネーム獲得だが、優勝へ向けては悲観的な声も聞こえてくる。やはり今夏の補強戦略は失敗だったのだろうか。

text by 山中忍 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

一大サプライズとなったエジル

 今夏の移籍市場最終日、ついにアーセナルが大物を買い入れた。

 9月2日に決まったメスト・エジルの獲得は、クラブのお膝元である北ロンドン界隈はもちろん、『ガーディアン』などの全国紙上でも、1995年のデニス・ベルカンプ獲得以来のインパクトとして歓迎された。

 レアル・マドリーに支払われた移籍金は、クラブ史上最高額の約65億円。前回記録だった、アンドレイ・アルシャビン獲得時の3倍近い大型出費だ。

 アーセン・ベンゲル監督は、めぼしい補強のないまま市場閉幕が近付く中で、「最後には世間をあっと驚かせるかもしれない」と言っていた。そして、その言葉通り、アーセナル・ファンにとっては、嬉しい「一大サプライズ」となった。

 ファンの中に、エジルを「スーパー・クオリティ」と評する指揮官の発言に、異論を唱える者などいないだろう。ドイツ代表のプレーメイカーは、本物のワールドクラス。ガレス・ベイル加入による玉突きで弾き出されたイメージがあるが、良くも悪くも異質の補強ポリシーを持つレアルでなければ、放出など考えられない実力者だ。

 プレミアリーグ勢が、大物ターゲットを逃し続けたことを考えれば、「この夏の最高級新戦力」という、ジャック・ウィルシャーのツイートには、他クラブのサポーターも頷かざるを得ない。

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