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「中村俊輔は睡眠薬を使用してでも調整した」韓国代表コーチが提言する、代表で結果を出すための高い意識

代表チームで難しいのは、コンディションのバラつきを調整することだ。クラブでの出場機会は選手によって異なる。最高のパフォーマンスを出すために何をすべきなのか。韓国代表でフィジカルコーチを務める池田誠剛氏が提言する。

text by 元川悦子 photo by Asuka Kudo / Football Channel

コンディションにバラつきがある代表選手

韓国代表コーチが提言する
代表チームには選手個々のコンディションのバラつきが存在する【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 2014年ブラジルワールドカップまで残り8カ月。各国代表選手たちは、目下個のレベルアップに励んでいる。そんななか、大舞台を控えた重要なシーズンのこの時期に、クラブで出場機会に恵まれない選手もいる。

 日本代表ではマンチェスター・ユナイテッドの香川真司、サウサンプトンの吉田麻也らがそれに該当する。この状態が長期化すれば、彼らの試合勘の不足は深刻度を増す。

 一方で、欧州CLと国内リーグを掛け持つ本田圭佑や内田篤人、ヨーロッパリーグと国内リーグでプレーする川島永嗣といった超過密日程を戦う選手もいる。

 国内組でも工藤壮人(柏)のように代表戦の傍ら、ACLのためにサウジアラビアや中国へ遠征した後、さらにJリーグで日本国内を移動するというハードなスケジュールを強いられる者もいる。彼ら場合は、代表合流した際の蓄積疲労やパフォーマンス低下が懸念されるところだ。

 このように、代表チームには選手個々のコンディションのバラつきが存在する。これをどのように扱い、ケアするのか。そこで重要になるのがフィジカルコーチの手腕である。

 クラブと代表という切り離せない2つの立場を経験し、それを生かしてロンドン五輪でU-23韓国代表を銅メダル導き、今夏からはブラジルワールドカップに向けて再始動した韓国代表のスタッフにも加わったベテランフィジカルコーチ・池田誠剛氏に話を聞くことができた。

 Jリーグ時代には横浜F・マリノスの03、04年のリーグ2連覇の立役者となり、現在も中国スーパーリーグ・杭州緑城のフィジカルコーチとして活躍する彼は、クラブと代表の両方の立場や事情を考えながら、代表選手のフィジカルコンディショニングを考えられる数少ないエキスパートと言える。

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