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日本代表 10年前

香川真司が語るザックジャパン再生の指標「SBやボランチがどんどん前へ出て行かないと」

欧州遠征の2試合は香川真司にとって消化不良のまま終わったのではないか。ザックジャパンのエースとして、本人はこの遠征をどうとらえているのか。そして、現状を打破するために何が必要なのか。

text by 元川悦子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「(セルビア戦は)攻撃の糸口が見つからなかったです」

 2011年アジアカップからエースナンバー10を背負った香川真司にとって、今回の10月2連戦ほど低調なパフォーマンスに終わった代表シリーズはなかったと言っていいかもしれない。

香川真司が語るザックジャパン再生の指標
「攻撃の糸口が見つからなかった」と香川は困惑の表情を浮かべた【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 11日のセルビア戦では前半から相手の激しいプレスに遭い、日本の生命線である長友佑都との左サイドを抑えられた。遠藤保仁と長谷部誠のダブルボランチでボールが収まらないため、香川がサポートに入る場面も多く、ゴール前に出ていけない。

 唯一のビッグチャンスだった前半31分に長谷部からのパスを受けてGKと1対1になった決定機もシュートを正面に蹴ってしまった。後半になってチームとして盛り返したものの、香川のフィニッシュの鋭さは影を潜めたまま。0-2の敗戦には本人もショックを隠し切れなかった。

「先に点を決められてしまうとやはり厳しい。相手もやることがハッキリしてきて、しっかりとブロックを敷いて守ってくる中で、僕らの足が止まっちゃう時間帯も後半にはあった。最後にアイディアがなければ崩せないというのをやりながらすごく感じた。

 ただ単にクロスボールを放り込んでも厳しいっていうのは目に見えてました。実際、佑都が仕掛けて上げても2~3本クリアされていたし、そこで1回勝負して切り替えてバイタルに1本当てて、イヴァノヴィッチの前にもう1人誰かが入ってくる動きが必要だったけど、僕らの動きが止まっていた。

 そういう工夫だったり、カウンターの精度をもっと高めるとか、何かアクションを加えないと、ブロックを敷かれた相手は崩せない。正直、攻撃の糸口が見つからなかったですね」と彼は困惑の表情を浮かべた。

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