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パレスチナ問題、日韓関係から考える。サッカーは“代理戦争”の場としてふさわしいのか?

サッカーと政治は密接に絡み合う。国と国の戦いであるが故、代理戦争のような捉え方をされることも少なくない。イスラエルとパレスチナ、日本と韓国における事例から考察する。

text by 三浦有喜 photo by Yuki Miura

密接に関わり合うサッカーと政治

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歩み寄りを見せているように思えるが、果たして【写真:三浦有喜】

 7月の終わり、イスラエルとパレスチナが和平交渉継続で合意、というニュースが飛び込んできた。イスラエルとパレスチナと言えば、御存知の通り第二次世界大戦後から争いを続けている国である。

 これまでたびたび和平交渉は行われてきたが、今回の直接協議は実に3年ぶりのこと。9カ月に渡って交渉が行われる見通しで、それに先立ちイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、パレスチナ人囚人104人を釈放する方針を固めた。

 イスラエル側が歩み寄りを見せているように思えるが、果たして両国の立場の隔たりが埋まることがあるのか、今後に注目が集まる。

 いきなりサッカーとは全く関係がなさそうなパレスチナ問題を冒頭にもってきたのには理由がある。サッカーと政治。これらが密接に関わり合っている事例は挙げたらキリがない。

 近しいところで言えば、7月28日に行われた東アジアカップの日韓戦。韓国人サポーター側がハングル文字の横断幕を掲げて話題になった。他にも1990年のユーゴスラビアでの暴動などが挙げられるだろう。

 本稿では、パレスチナ問題と、先般行われた東アジアカップの2つを例にあげ「サッカーは“代理戦争”の場としてふさわしいのか」を考察していきたい。

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