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【キーマン・中西大介氏インタビュー】混迷のJリーグ改革案。2ステージ制から1ステージ制へ戻す可能性はあるのか?

Jリーグ改革が大きく前進した。2ステージ制へ移行することが正式決定したのだ。
サポーターから強い反発があったにもかかわらず足早に決定した理由はどこにあったのか? Jリーグ改革のキーマンである中西大介 競技・事業統括本部長にインタビューを行った。

text by 鈴木康浩 photo by Kenzaburo Matsuoka

【サッカー批評issue65】掲載

ポストシーズンの導入が一般層の関心増加になるのか

――厳しい状況にあることは伝わってきますが、新たな大会方式に変えて右肩上がりになる勝算はあるのでしょうか?

「さっきの数字、KPIを見ると、やはり日本サッカーの裾野の広がりがないんですよ」

【キーマン・中西大介氏インタビュー】混迷のJリーグ改革案。2ステージ制から1ステージ制へ戻す可能性はあるのか?

 ここで中西は前回インタビュー時にも説明した現状認識――欧州に選手もお金も集まっていること、2010年W杯以降日本人選手の欧州への流出が進んでいること、メディアでJリーグが報じられなくなり一般層の関心が激減したこと、僕らやメディア・サポーター・選手・指導者などはJリーグのレベルは上がっていると感じているがJリーグを見ない一般層に質問すると「下がっている」と思われていること、だから開幕戦の視聴率も5%を越えないこと、などに触れた。

――そう考えたときに僕自身はポストシーズンを導入して放送されても効果に懐疑的です。内輪の盛り上がりで終わり、果たして一般層の関心に繋がるのでしょうか?(質問:サッカー批評:森哲也編集長)

「2ステージやポストシーズンをやるだけではダメでしょうね。僕は何回も言っていますが、新大会方式の導入はスターターとしての役割です。Jリーグとクラブのプラスαの工夫やテレビ局側の協力が絶対に必要。開幕戦やステージ優勝が決まる試合をいかに満員のスタジアムでやるか。

 ザッピングしたりスポーツニュースを見たりしたときに、すごい雰囲気だな、というのを作らないといけない。Jリーグのレベルは確実に上がっていますし、面白い試合はいくつもある。サポーターが作る雰囲気も素晴らしい。だからこそ普段からJリーグに出くわす環境を作りたいのに、なかなか有効な打ち手がなくて泣く泣く大会方式を動かしたということです」

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