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内田篤人 10年前

次戦は勝利が絶対条件だが――。シャルケに落ち着きをもたらした内田。アウェイで“我慢して”拾った勝ち点1

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

意外と少ないファルファンと内田の会話

 度々相対したステアウアの10番、タナセにはしっかり食らいつき、ほとんど仕事をさせない。1対1はもちろんのこと、ボランチのノイシュテッター、ジョーンズ、CBのヘーヴェデスと組んで、相手の攻撃を凌いでいった。

次戦は勝利が絶対条件だが――。シャルケに落ち着きをもたらした内田。アウェイで“我慢して”拾った勝ち点1
内田はシャルケのディフェンダーとして確かな存在感を示している【写真:原田亮太】

 60分には、相手の攻撃を凌いだあと、倒れたフェアマンを起こし、気遣うシーンもあった。内田はシャルケのディフェンダーとして確かな存在感を示し、GKを含めたいつもとは違うディフェンスラインに落ち着きをもたらしている。

 フェアマンは時折危ないシーンもあったが、このままヒルデブラントからポジションを奪っても不思議ではないパフォーマンスを魅せていた。

 攻撃面ではやはりファルファンとのコンビネーションだろう。2人のコンビを見慣れた上で、シャルケの練習を見ると、思ったよりも内田とファルファンの間に会話は少ないことに気づく。

 しかし、どちらからか仕掛けたのか、練習の合間にダイレクトのパス交換をしたりする。2人の間には、やはり数限りなくボールを交換し合うことで紡いできた確かな信頼関係があるのだ。

 そんなパス交換を右サイドで紡ぎながら、ときにファルファンがボールをキープし内田の上がりを待ち、ときに内田がファルファンに縦パスを送る。どこか観る者に心地良さを感じさせて、ファルファンと内田は攻撃を仕掛けていった。

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