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本田圭佑 10年前

CSKAでは既に“浮いている”存在。王者バイエルンに本田圭佑が示した確かな存在感

CSKAモスクワはチャンピオンズリーグでバイエルン・ミュンヘンをホームに迎えた。試合は敗れたが、本田圭佑は確かな存在感を示した。PKでのゴールもそうだが、欧州王者相手に奮闘。むしろ周囲がついていけないほど、いい意味で“浮いた”存在であった。

text by 本田千尋 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography / Ryota Harada

本田は残る? あるロシア人記者からの噂

CSKAでは既に“浮いている”存在。王者バイエルンに本田圭佑が示した確かな存在感
本田圭佑はCSKAモスクワに残る?【写真:原田亮太】

 新たな未来は、手を伸ばせば、すぐそこにある。

 どうやら今度こそ決定事項らしい。本田圭佑がCSKAモスクワへ移籍を果たして以来、夏と冬が訪れる度に、これまで一体どれだけの噂、憶測が流れたことだろう。

 余談だが、僕はボルシアMGの取材に度々出掛けていく。今季開幕間もない頃、ボルシア・パークの記者席で、1人のロシア人新聞記者と顔見知りになった。ロシア人はかつてキエフでプレーしたラファエルを観に来たと言う。

 夏の移籍市場がまだ開いていた頃、「今夏本田はCSKAからミランに移籍すると思うか」と訊ねると、ロシア人は「今夏の移籍はない。金の問題でCSKAは本田を出さないだろう」と言った。実際その通りになった。後日、記者席で再会したロシア人は、「オレの言った通りだろ」としたり顔だった。

 夏の移籍市場が閉じてしばらくして、「冬には本田はミランだな」と話を振ると、「冬もない。本田はCSKAに残る」と言うではないか。「なぜ?」「条件の問題だ」「条件とは?」「とにかく本田はCSKAに残る」…。そう言い残したあと、ボルシア・パークからロシア人は姿を消した。

 それが本田のACミランへの移籍がほぼ確定したことと関係があるかはわからない。おそらく、ないだろう。いずれにせよ、ある選手が移籍する、しないという話はこのようにして様々な人間が独自の見解で語り、噂で広まっていくのだということを、身を持って実感した。しかし、今度こそ、決定事項らしい。

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