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香川真司 10年前

香川は左サイドでも輝ける――。ファン・ペルシー復帰後に求められるルーニーとの“三角形”

シリーズ:フットボール母国の神髄 text by 森昌利 photo by Ryota Harada , Kazhito Yamada / Kaz Photography

今後重要になってくるのは“三角形”

 これは、これまでのコラムでも何度か主張してきたことだが、ユナイテッドのエースの座を取り戻しつつあるルーニーが、今チーム内で最も一緒にプレーしたいと思っている選手が香川である。狭いスペースで技術の高い連携ができる選手。攻撃陣の中でボールを渡して、戻してくれる選手。それが香川なのだ。

 そのことが分かって来たのか、ルーニーを生かすためという動機もあって、モイーズ監督も最近は香川をヤヌザイより重用しているのは明らかだ。

 それではファン・ペルシーが帰って来た時、どうすればいいのか。

 僕の尊敬するサッカー記者のひとりに、日経新聞の吉田誠一氏がいる。彼は取材対象が変わりやすい新聞記者の中、ここ20年間、サッカー一筋に取材を続けている。またイングランドのサッカーに非常に詳しく、「フットボールの熱源」という素晴らしいコラムも連載している。
 
 その吉田氏が昨季、ファン・ペルシーが台頭して来た時に話してくれたことを思い出した。

「ファン・ペルシーも連携できる選手です。香川は左サイドでもいい。けれどもファン・ペルシー、ルーニーと三角形の関係を作る。この三角形の関係を基本に、状況によってポジションチェンジを繰り返しながら、連携すればいいのです」

 なるほど、その通りだ。

 現在、股の故障だというファン・ペルシーは、自分が欠場した土曜日のカーディフ戦と水曜日のレバークーゼン戦をどのように眺めただろうか。

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