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香川真司 10年前

香川は左サイドでも輝ける――。ファン・ペルシー復帰後に求められるルーニーとの“三角形”

シリーズ:フットボール母国の神髄 text by 森昌利 photo by Ryota Harada , Kazhito Yamada / Kaz Photography

重要なのはルーニー=香川の関係にファン・ペルシーを引き込むこと

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連携という新たな力を得たユナイテッド【写真:原田亮太】

 まず土曜日のカーディフ戦。代表戦で足を打撲した香川不在だったウェールズ首都でのアウェイのリーグ戦で、ユナイテッドは結局最後まで連携ができないまま、後半ロスタイムに同点弾を浴びた。

 これはある意味ファン・ペルシーにとって、願ってもない結果だろう。誰もがオランダ代表FWの決定力不在を嘆いたものだ。

 しかしそれからわずか中2日で記録的な5-0大勝利。ドイツアウェイの欧州戦でユナイテッドが5点差勝利を飾ったのは1964年のドルトムント戦6-1勝利以来だという。

 しかもゴールスコアラーがオウンゴールも含め、5人。これまでファン・ペルシー一人に頼っていたチームが「連携」という新たな力を得て、今季最高はもちろん、49年ぶりの大勝を飾ってしまった。

 無論、ファン・ペルシーがレギュラーの座を心配する必要はまだない。しかし、今後、イングランドに慣れた香川と今季絶好調のルーニーの連携が、ユナイテッド勝利の方程式として確立されていったらどうだろう。

 ここは本当の意味で香川のチャンスだ。昨季、ファン・ペルシーの台頭、ルーニーのスランプ、そして自身の左ひざじん帯損傷という負のアクシデントが続いて、ファーガソン前監督が確約してくれた「レギュラーの座」を失った。しかし今はその逆で、ルーニーとの連携を武器に、日本のNO.10が頭角を表す準備ができつつある。

 それなら、ファン・ペルシーが復帰してきた時――たぶん今週末のトットナム戦でということになりそうだが、両者が共存する最適の形は、吉田氏が提唱するルーニーを含めた三角形の連携だろう。今のルーニーとの関係にファン・ペルシーを引き入れるのだ。

 これができた時、ユナイテッド内での香川の存在は“欠けていたピース”から、なくてはならない“不可欠のピース”となるのである。

【了】

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