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Jリーグ 10年前

クラブの生死を懸けた入れ替え戦。カマタマーレ讃岐が絶対にJ2昇格しなければならない理由

明日と12月8日に行われる「J2・JFL入れ替え戦」。J2のガイナーレ鳥取に挑むのはカマタマーレ讃岐だ。敗れても讃岐はJ3入りとなり、Jクラブとなることが出来るが、この戦いに勝利し、是が非でもJ2に昇格しなければならない理由がある。讃岐にとってはクラブの命運を決める生死を懸けた一戦なのだ。

text by 寺下友徳 photo by Tasuku Taki

ついに「美味しい食後感」を得る位置まできた讃岐

 2011年3月発売「サッカー批評」第50号をお持ちの方がいらっしゃったら、88~91Pを開いてほしい。そこには私の拙稿「カマタマーレ讃岐の挑戦」が掲載されているはずだ。まずはその末尾を原文のまま掲載したい。

 Jリーグの法人創設から今年で20年目。これまで私たちは「Jリーグ」の夢を追いかけるあまり、背伸びしすぎてJで苦労したクラブや、Jリーグ入りを断念したクラブを数多く目にしてきた。

 しかし、そんな過去の反省を踏まえ、アイディアをつなげ、人脈をつなげ、「釜玉うどん」のようにこしのあるクラブを作ろうとしているカマタマーレ讃岐のアプローチは、これまでのクラブと明らかに一線を画している。もちろん、これから登る山も平坦ではないが、彼らのJFL挑戦が、「Jリーグ昇格」という美味しい食後感で終わることを心より祈りたい。

 あれから丸3シーズン。ついにカマタマーレ讃岐は「美味しい食後感」J2昇格へ手を掛ける位置まで来た。12月1日・8日の両日行われるJ2鳥取とのJ2・JFL入れ替え戦に連勝、ないし2戦合計の得失点差で上回るなどすれば、1956年・高商OBクラブ創設以来、58年目にして初のプロリーグ入りを果たすことになる。

 ただ一方で、讃岐はこの戦い「絶対に勝利しなければならない理由」を数多く抱えている。それは登ってきた山が平坦どころか、あまりに険しいもの。加えて、クラブ自身もそこへ向かって背伸びをしまったからだ。

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