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【プレーを徹底分析】“130億円男”ギャレス・ベイル。サッカー選手として彼は何がすごいのか?

text by 清水英斗 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

最適ポジションはどこか?

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 レアル・マドリーへ移籍したベイル。最適なポジションは、やはり経験のあるトップ下か左サイドということになる。ベイルは相手から遠いところにボールを置いて、相手を引きつけるような動きから抜くというプレーが多い。

 仮に右サイドに固定されると、左足でコントロールするボールを常に相手にさらす格好になるため、未知数の部分はある。エースであるクリスチアーノ・ロナウドとの相性は正直、どうなるか予測がつかない。

 よりスムーズに順応しやすいと考えられるのは、ベイルを左サイドのアタッカーとして用い、ロナウドを中央でFWとして起用する配置だ。もともとサイドバックのベイルなら、守備面でも期待できるため、非常にアイデアとして考えやすい。

 ところがアンチェロッティはこのようなプランを否定し、「ロナウドは9番で起用しない。それぞれが最も得意なポジションでプレーできるシステムを考える」と答えている。となると、ベイルがトップ下、ロナウドが左サイドハーフになるのか、あるいは、まさかのベイルが左サイドバックへ復帰か。

 ベイルの場合は同じ左利きとはいえ、パッサータイプのエジルとは特徴が大きく異なるため、最終的にどのような組み合わせに落ち着くのか、興味は尽きない。

 ベイルの今後の伸びしろは、ヘディングにあるだろう。身長が大きく、ヘディングでの得点も増えてきた。このプレーが今後どう磨かれるかで、彼の伸びしろはより大きくなるはずだ。

 スピードがあり、ドリブルが細かく、キックの質がこれほど高い選手が相手の脅威にならないはずはない。この3つの部分が高いレベルで備わっているベイルが、今後メッシやロナウドのようなスペシャルな選手になれるかどうか注目したい。

【了】

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