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ブラジルW杯の“恵まれた組”に歓喜するフランス。選手・監督・メディアに見える大いなる慢心

ブラジルW杯の抽選会でフランスはスイス、エクアドル、ホンジュラスと同居した。優勝経験国もなく、“恵まれた組”と選手、監督、メディアには浮かれた様子が見える。あまりに慢心ではないだろうか。南アのときも組み分けは恵まれていたのだが…。

text by 小川由紀子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

『レ・ブルー、抽選会のチャンピオン』(Le Parisien紙)

 フランスはつくづくクジ運の良い国だ。

2014world
フランス代表はグループEに入った

 12月6日、抽選会当日のレキップ紙が、「最も理想的な組み分け」として挙げたのが、スイス、エクアドル、イランだったのだが、なんと、このうちの2国を実際に引き当てた(ちなみに、「最も避けたい組み分け」はブラジル、オランダ、そして日本だった)。

 イランの代わりにはホンジュラスで、(あまりアテにはならない)FIFAランクで比較するならイランが45位、ホンジュラスが41位と、ほとんど変わらない。

 翌朝の各紙の一面は、ネルソン・マンデラ氏の悲報で埋め尽くされたが、その合間をぬって、

『我らがブルー、好発進』(La Depeche紙)
『レ・ブルー、抽選会で幸運つかむ』(L’Independent紙)
『レ・ブルー、抽選会のチャンピオン』(Le Parisien紙)
『開けてびっくり玉手箱』(L’Equipe紙)

 などなど、ご機嫌な見出しが並んだ。

 対戦相手だけではない。初戦のホンジュラス戦がポルトアレグレ、2戦目のスイス戦がサルバドール、そして最後、エクアドル戦がリオデジャネイロのマラカナンと、彼らの試合会場は比較的南寄りで、高温多湿でみなが敬遠していたマナウスはまんまと回避。サンパウロ近郊のキャンプ地からも近めと、地理的なアドバンテージまでもゲットした。

「より厳しい組み分けに入ることも考えられた。我々が目標とするところ(16強入り)に到達する可能性がより高まった」

 デシャン監督は謙虚に語ったが、笑みが止まらない、という表情だった。

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