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本田圭佑 10年前

名門復活を託された“背番号10”。ミランで本田圭佑はどこで起用され、何が求められているのか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

適任者いない2シャドーの右

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2014年ACミラン予想フォーメーション

 シーズンに入ってから、ミランはこの形に落ち着いていた。バロテッリには1トップで動きの自由を保障。そしてその下に、攻撃的MFを2枚配置した。もちろんその一角はカカーだ。

 ミランで再起を掛ける彼のコンディションは日に日に上がり、9試合出場で3ゴール。何よりプレーは責任感に溢れ、全盛期のスピードこそ薄れたものの、ゲームメークへの参加や守備などを献身的にこなしている。エル・シャラウィが故障がちで、サポナーラも満足にチャンスを得られず、結局このポジションはカカーのものとなっている。

 問題は右だ。バランスを重視するアレグリ監督は、夏の獲得に失敗した本田の代わりとして急遽獲得したスロベニア代表のビルサをここに抜擢した。確かに当初、彼ははまった。気の効いたパスやドリブルで中盤と前線の繋ぎ役として機能し、右サイドから逆足の左でゴールを狙う形も嵌った。

 だが、毎試合のように決定的な“違い”までは造り出せず、不動のスタメンというまでには至っていない。さらに彼は、12月に入って左太腿の筋肉を故障し、復帰は年始になる模様。彼が復帰をしても、ニアングがバランサーとして機能出来ない以上、このポジションの層は薄い。

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