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81%の国民がW杯ベスト16を予想するが――。FIFAランクはブービー、攻守に課題。韓国代表の不安な現状

ブラジルW杯でベルギー、ロシア、アルジェリアと同居した韓国。一時期はどん底まで落ち込んだチーム状態だが、ホン・ミョンボ監督就任以後は徐々に改善。国民アンケートでも81%が決勝トーナメント進出を予想している。だが、筆者は突破が容易でないと予想する。その理由とは?

text by 呉承鎬

最悪の状況で監督を引き受けたホン・ミョンボ

 8大会連続でW杯本大会に出場する韓国だが、ブラジルまでの道のりは、苦難の連続だった。アジア3次予選こそ1位で通過したが、続く最終予選ではまさかの急ブレーキ。

 3戦目のウズベキスタン戦をホームで引き分けると、アウェーでのイラン戦には0-1で敗れてしまった。6月の3連戦も1勝1敗1分で終え、最終予選はトータル4勝2敗2分。僅差のグループ2位通過で、青息吐息で掴んだ本大会出場権だったと言える。

 予選期間を振り返ると、南アフリカW杯閉幕後に就任したチョ・グァンレ監督がアジア3次予選でレバノンに敗れて解任されると、その後を継いだチェ・ガンヒ監督も苦戦続き。

 キ・ソンヨンがSNSで監督批判をするなど、選手と監督、選手同士の信頼関係も疑問視された。チームとしての一体感もなく、予選突破でも問題が絶えない代表チームに、国民は失望を隠せなかった。

 そんなどん底の韓国を再び浮上させたのは、13年6月に就任したホン・ミョンボ監督だ。日韓W杯で韓国をベスト4へと導いた“永遠のキャプテン”は、監督としてもカリスマ性を失わず、12年ロンドン五輪ではチームを銅メダルに導いている。

 最悪の状況下で監督となったホン・ミョンボは、「ワンチーム、ワンゴール、ワンスピリッツ」のスローガンを掲げ、チーム再建に取り掛かった。印象的だったのは、ホン監督が就任後、初めて選手を招集した際に、スーツ着用を命じたこと。規律を正すという基本の“キ”からチームを再構築するという、監督の意志が感じられた新たなルールだった。

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