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きっかけは日本戦。上位進出を目指すオランダ、W杯では“カウンター”スタイルへ変更の可能性も

ファン・ハール監督の下、選手を固定せずチーム力を高めてきたオランダ。予選では圧倒的な攻撃力は発揮したが、W杯本大会ではスタイルを変更する可能性もある。上位を目指すためにはスペインを抑えての首位突破が必要だからだ。

text by 中田徹 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

メンバーを固定化しない選手起用

きっかけは日本戦。上位進出を目指すオランダ、W杯では“カウンター”スタイルへ変更の可能性も
オランダ基本フォーメーション

 欧州予選のファン・ハール監督は非常にユニークなチーム作りをした。ローテーションシステムは、その最たるもの。GKはなるべくひとりに任せるのがセオリーだが、今予選の10試合でファン・ハール監督はクルル、ステーケレンブルフ、フェルメール、フォルム、シレセンと実に5人ものGKを抜擢した。

 戦術の要となるセンターハーフのポジションもクラーシー、ナイジェル・デ・ヨン、デ・グズマン、スハールスと目まぐるしくメンバーが変わった。

 この背景にあるのは、予選が始まる前からファン・ハール監督が「ブラジルW杯は移動距離の長さ、気候の違いの激しさからコンディショニング勝負の大会となる」と見越し、「所属チームで出場機会を失った選手や負傷気味の選手を、私はオランダ代表に呼ばない」と宣言したことにある。

 ファン・ハール率いるオランダがチームを立ち上げた時のキャプテンはスナイデルだったが、インテルやガラタサライで出場機会を減らすと、代表に呼ばれる事も少なくなり、キャプテンの座もファン・ペルシに明け渡してしまった。

 メンバーを固定して連携を深めることより、体調の整った選手を揃えて戦う事を選んだファン・ハール監督のもと、オランダは9勝1分けという見事な成績でW杯予選突破欧州一番乗りを果たした。しかし、彼らが圧巻だったのは消化試合となった10月のハンガリー戦、トルコ戦だった。

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