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クルピが語る日本代表「私が監督なら闘莉王を使う。ボランチの軸は(山口)螢にする」

text by 沢田啓明 photo by Hiroaki Sawada

クルピが見る日本代表の長所と短所

――今日はまず、あなたの教え子が大勢いる現在の日本代表についてうかがいたいと思います。ワールドカップ・アジア予選、コンフェデ杯、東アジアカップ、その後の強化試合を通じて、現在の代表チームをどう評価していますか?

「アジアでの戦い方とワールドカップへ出場するような世界の強豪国との戦い方は、大きく異なる。コンフェデ杯ではその切り替えがうまくいかなかったようだが、11月の欧州遠征では素晴らしい内容の試合をした。着実に成長していると思う」

――戦術的な視点から、現在のチームの長所と短所を挙げるとすれば?

「日本選手の特徴である敏捷さとテクニックを最大限に生かし、細かいパス交換で相手守備陣をすり抜けてゴールを陥れる。守備では、高い位置から連動して勤勉にプレスをかけ、相手の攻撃の選択肢を狭め、スマートにボールを奪う。

 これらの長所は、11月のオランダ、ベルギーとの強化試合でいかんなく発揮された。ただ、ボールを奪うべきタイミングの判断が不適切だったり共通理解ができていないことがあり、プレスをかいくぐられ、決定的なパスを出されてピンチを招く。

 また、相手ボールの時は中央を固めてサイドへ押し出す戦術だが、体格のハンディから、単純なハイクロスからでも失点するケースがある。イージーなミスからやらずもがなの失点を喫するのも重大な問題だ」

――守備の高さ不足は、日本代表の永遠の課題です。田中マルクス闘莉王を起用すべき、という声があります。

「私が監督なら、闘莉王をピッチに立たせる。高さと強さがあり、精神的に非常に逞しく、リーダーシップがある」

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