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5年間ノーゴールでも約75億円は保証。ネイマール移籍金騒動、争点は金額よりも不可解な契約内容

バルセロナで活躍するネイマールに金銭スキャンダルが起こった。巨額の移籍金がさらに巨額だったと現地では報道され、さらにあまりに特殊な契約内容も問題になっている。金額の大きさばかりが話題になってしまうが、むしろ争点は契約書に何が書かれていたのか、であろう。

text by 山本美智子 photo by Rafa Huerta , Kazhito Yamada / Kaz Photography

ネイマールの移籍金、実際よりも50億円以上高かった可能性

5年間ノーゴールでも約75億円は保証。ネイマール移籍金騒動、争点は金額よりも不可解な契約内容
バルサに移籍して半年目を迎えたネイマール【写真:Rafa Huerta】

 FCバルセロナにサントスから、ネイマール・ダ・シルバが移籍してきて、半年目を迎えようとしている。本人もバルセロナの生活やチームになじみ始めたところだが、ここに来てネイマールの移籍金問題が浮上している。

 スペインでは、全国一般紙「エル・ムンド」紙が一面で取り上げたといえば、いかに、社会問題として大きく扱われているかのイメージがつかめるだろうか。

 焦点は極めて単純で、その支払金額にある。FCバルセロナのサンドロ・ロセイ会長は、公に移籍金5700万ユーロ(約79億8000万円)だと公表しているが、同紙は「実際はそれよりも、3800万ユーロ(約53億2000万円)も多い9500万ユーロ(約133億円)」だと報道。この差額が問題となっている。

 ここに出されている数字は、裁判所に提出されている契約書の内容をエル・ムンド紙が入手したデータに基づいており、そのデータ元に関して言えば、信頼性は高い(それにしても、この全国紙はサッカーのみならず、裁判所の資料を実によく入手するのだが、正直、そのルートにもお金が動いていないのかが気になるところだ)。

 話を戻すが、9500万ユーロと言えば、レアル・マドリーのクリスティアーノ・ロナウド(9400万ユーロ、約131億6000万円)やガレス・ベイル(9150万ユーロ、128億1000万円。一部では9900万ユーロ、138億6000万円)の移籍金を超える、または少なくともこれらの例と肩を並べる金額だ。

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