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本田圭佑 10年前

セリエAに“慣れた”本田圭佑。猛プレスでも圧巻のキープ力、流れ引き寄せた右からの展開力

カリアリ戦、イタリアにわたってから初のフル出場を果たした本田圭佑。決定機を三度逃し、悔しがるシーンもあったが、チャンス演出に至るいい動きがあったのは事実。得意とするトップ下ではなく右サイドでの起用で、本田は何を見せたのか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Getty Images

フル出場が意味するもの

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本田圭佑【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 実に惜しく、そして勿体なかった。カリアリ戦の前半18分、右サイドからゴール前に入り、バロテッリから最高のパスが供給されGKと1対1になる絶好のチャンス。しかしアブラモフをじっくりと見て、その脇を抜こうとしたはずのシュートは、思いっきり相手に弾かれた。

 後半15分にはカウンターから前を向いてロビーニョへパスを出し、さらにDFラインのギャップの間に入って折り返しを呼び込む。タイミングは絶妙だったが、シュートはゴールの遥か上に逸れた。

 1-0のままミランがカリアリに破れたのなら、戦犯として扱われても仕方のないところだ。しかし本田は試合終了間際、正確なCKでパッツィーニの逆転ゴールをお膳立て。後半38分にもプレースキックからカカーのヘディングシュートを演出しており、持てるストロングポイントを活かして確実に得点へと結びつけたナイスプレーだった。

 彼がそういうチャンスに絡めたのは、当然ピッチに残されていたからこそ出来た話でもある。ミッドウィークのウディネーゼ戦で温存されていたとはいえ、プレスの激しい中タフに動いて前を向き、チャンスではゴール前でボールに触れていたからこそセードルフ監督からの信頼を享受することが出来たのだろう。

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