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香川真司 10年前

恩師クルピが香川に移籍の勧め「できるだけ早くマンUから離れるべき。時間を無駄にするな」

text by 沢田啓明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Hiroaki Sawada

考えるべき「フットボーラーとしての将来」

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マンUで出場機会が減っている香川【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

「誤解してほしくないのは、私は、『シンジはユナイテッドのようなビッグクラブでは成功できない』と言っているのではないこと。成功することは可能だ。ただし、今の監督が今のコンセプトでチームを作る限り、それは非常に難しい。

 少なくとも、かなりの時間がかかる。『フットボーラーのキャリアは短いのだから、貴重な時間を無駄にするべきではない』と言いたいのだ。

 もちろん、選手が欧州ビッグクラブから別のビッグクラブへ移籍する場合は、様々な要素がからむ。

 ひょっとしたら、ユナイテッドはシンジが加わったことによって新たに獲得した日本企業のスポンサーシップを失うことを嫌い、手放したがらないかもしれない。また、シンジ本人も『現在より収入を減らすくらいなら、ユナイテッドに留まりたい』と考えても不思議ではない。

 だから、私が言っているのは、あくまでも彼のフットボーラーとしての将来だけを考えた場合の選択だ。

 もし移籍するなら、彼の長所を十分に発揮できるリーグとクラブが望ましい。具体的には、スペイン、ドイツ、フランスなどのビッグクラブだろう。イタリア・セリエAもいい。能力の高いDFが多いが、だからこそ、シンジの長所が際立つはずだ。

 日本へ帰ってくるのは、まだ早い。2014年W杯のことを考えて、出場機会を増やすために戻ってくるのも感心しない。もっともっと、欧州でチャレンジすべきだろう」

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