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香川真司 10年前

苦境の要因はマンU監督ではなく自分自身にあり――。英国人記者が分析する、香川真司に足りないこと

text by ショーン・キャロル photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

英語力の問題。連携不足の要因か

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ダニー・ウェルベック【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 今季の始めにロビン・ファン・ペルシーやウェイン・ルーニーが負傷離脱したときにも、香川はコーチ陣に信頼されていなかった。その理由について、モイーズがリスクを負って攻撃する選手よりも守備的な選手を好むのではないかという意見もあった。

 だが、今年の1月末にフアン・マタと契約したことがそれを否定している。香川がトレーニングでどんなアピールをしても、モイーズに対して彼がユナイテッドの多くの問題を解決させる存在であることを信じさせるのに不十分だった。

 モイーズの香川に対する信頼の欠如は、おそらくユナイテッドの監督に就いた昨夏までさかのぼる。サー・アレックス・ファーガソンの跡を継ぐという重圧のかかる仕事では、選手たちのピッチ上の能力に関してではなく、個々の持つチームスピリットに関して、早急に判断する必要があった。

 比較的内気な香川は、非常に限られた英語力しか持っておらず、チームに溶け込むことや、連係を高めることが出来ていないように見える。

 ダニー・ウェルベック、アシュリー・ヤング、アントニオ・バレンシアは香川よりも劣ったプレーヤーだ。しかし、モイーズは彼らには日本代表の10番に欠如している能力(つまり力強さ、反発力、回復力)があると感じている。

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