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長友佑都 10年前

コロンビア代表クアドラードとのW杯前哨戦。長友が制したセリエA最高のアウトサイドとの激闘

長友佑都がまたも進化を遂げた。フィオレンティーナとの一戦、相まみえたクアドラードとのマッチアップに勝利。相手をベンチへと追いやった。クアドラードはコロンビア代表でもある。W杯前哨戦とも言える激闘を制したのはやはり、さらなる進化があったからだ。

text by 神尾光臣 photo by Getty Images , Kazhito Yamada / Kaz Photography

セリエA最高のアウトサイドとのマッチアップ

 フィオレンティーナ所属のファン・クアドラードは、現在セリエAで最高のアウトサイドだ。

コロンビア代表クアドラードとのW杯前哨戦。長友が制したセリエA最高のアウトサイドとの激闘
コロンビア代表であり、フィオレンティーナ所属のファン・クアドラードは、現在セリエAで最高のアウトサイドだ【写真:Getty Images】

 卓越したスピードを誇り、ドリブルも緩急自在。キックも正確で味方に点を取らせ、また自らも点を取ることが出来る。一方で攻撃だけでなく、スピードを活かしたカバーリングにも冴えを見せる。この男はコロンビア代表。そう、6月24日のブラジルW杯、1次リーグC組の最終戦で長友は彼とマッチアップすることになるのだ。

 これまでも、長友はタフな闘いを強いられている。昨シーズン、ホームの対決では五分に渡り合ったが、アウェーの対決では突破を許した末にアシストを決められるなど、完全にやられていた。今シーズンのホームの対決(第5節)では、クアドラードが故障のためにマッチアップが実現していない。

 試合前マッツァーリ監督は「ここが勝負になる」と長友やチームメートに話していたという。そして彼は、見事なマッチアップを展開した。

 ボールを保持しているときはもちろん、持っていないときも丁々発止を繰り広げた。長友はクアドラードに食らい付く。彼がドリブルで仕掛けようとすれば距離を縮め、不用意に足を出して抜かれないように気をつけながら、じっくりボールを見てコースを切る。

 また相手がボールを持っておらず、右サイドのスペースへ飛び出してパスを引き出そうとする時にも、ぴたっと張り付きフリーにさせなかった。

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