欧州サッカーの勢力地図が変わるか。赤字経営の禁止、ビッグクラブに影響大の“ファイナンシャルフェアプレー”制度とは?

欧州のビッグクラブはこれまで、競うように選手を獲得してきた。時には借金をしてまで多額の移籍金を払ってきたが、今後は基本的に出来なくなる。ファイナンシャルフェアプレーという制度が出来たためだ。一体この制度はどんなもので、どんな影響があるのか?

2014年03月04日(Tue)8時47分配信

text by 海老沢純一 photo Kazhito Yamada / Kaz Photography
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正式に施行された「赤字経営禁止」の新制度

 今シーズンから正式に施行されたファイナンシャルフェアプレー(以下FFP)。サッカー ニュースやコラムで度々名前を目にするが、その内容と各クラブの対策法は以外と伝えられていないように思える。まずは、FFPがどんなルールなのか改めて確認してみよう。

 FFPは、UEFAのミシェル・プラティニ会長が提唱。欧州各クラブの財政健全化を目指して11年6月から導入した。その内容は…

・赤字経営の禁止

 クラブが支出する移籍金、人件費などの経費は、クラブが純粋に得たサッカーによる営業利益(選手売却による移籍金、スタジアム入場料、テレビ放映権、各大会賞金、グッズ収入、スポンサー収入)を超えてはならないというもの。

 つまり、銀行からの借り入れや、昨今急増している金満オーナーのポケットマネーによる高額移籍金の支払いと赤字の補填はアウトということだ。

・審査は過去3シーズンの合計で、段階的に適用

欧州サッカーの勢力地図が変わるか。赤字経営の禁止、ビッグクラブに影響大の“ファイナンシャルフェアプレー”制度とは?
ファイナンシャルフェアプレー赤字許容額

 いきなり「赤字は禁止!」と打ち出してしまうと、抵触するクラブが圧倒的に多くなってしまう。そのため、審査は過去3シーズンの合計で判断される。ただし、導入が2011年で正式施行が2013-14シーズンのため、初回となる今シーズンは過去2シーズン(11-12、12-13シーズン)の合計収支となる。

 それでも、これまで放漫経営をしてきたクラブにとっては2年で赤字をゼロにすることはほぼ不可能に近い。その救済措置として、14-15シーズンまでは赤字許容額を4500万ユーロ(約63億円)以内、15-16シーズン~17-18シーズンまでは3000万ユーロ(約42億円)以内に設定。

 そして、18-19シーズン(15-16、16-17、17-18の3シーズンの合計)からは、赤字をゼロにしなくてはならない。つまり、赤字経営が許されるのは今シーズンを含めて残り2シーズンのみとういう状況だ。

 ただ、仮に赤字を出しても、すぐに翌年に処分を受けるというわけではない。前シーズンと前々シーズンで大幅に黒字を出していれば理論上はOKなのだ。

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