お金がなくても愛される松本山雅FC。徹底して地域密着にこだわる地方クラブのあり方

松本山雅FCは決して裕福なクラブではない。しかし、地域密着に成功しホームスタジアムのゴール裏には毎試合多くの地元ファンが駆けつける。3月10日発売、最新号の『サッカー批評issue67』(双葉社)では、身の丈経営を続ける松本山雅FCの加藤善之GMにクラブのビジョンを語ってもらった。一部を抜粋して掲載する。

2014年03月15日(Sat)10時37分配信

text by 宇都宮徹壱 photo Tetsuichi Utsunomiya
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【サッカー批評issue67】掲載

J1昇格よりもアルウィンを満員にすることが目標

お金がなくても愛される松本山雅FC。徹底して地域密着にこだわる地方クラブのあり方
2009年1月より、松本山雅のGMを務める加藤善之。JFL時代の2011年には、監督としてJ2昇格を経験した【写真:宇都宮徹壱】

「ウチはこれまで『いついつまでにJ1昇格』ということは明確に掲げていません。われわれのプロジェクトの目標は、あくまでもアルウィンを満員にすることなんです。ホームゲームで、常に1万5000人のお客さんが入ったら、選手も頑張るし、入場料収入も増えて強化費により多くのお金を回すこともできる。健全な経営を続けながら、ファンの皆さまに熱い試合を見せていくことが、結果的にJ1への早道だと思っています」

 松本山雅FCの代表取締役社長、大月弘士の発言である。松本の平均入場者数はJ2に昇格して1年目の2012年で9531人(甲府に次いで2番目)2年目の13年で1万1041人(G大阪、神戸に次いで3番目)。

 J1未経験クラブとしては、極めて高い集客力を誇っている。ところが12年の情報開示資料によると、入場料収入は1億8800万円でJ2では8位、チーム人件費は2億8400万円で何と13位である。13年のデータはまだ公開されていないが、劇的にチーム強化費が上昇したとは思えない。

 それでも、反町康治体制になって2年目となる昨シーズン、松本はJ1昇格プレーオフ出場まであと一歩となる7位でフィニッシュ。1年目が12位であったことを思えば大躍進である。

 それを支えたのは、もちろん指揮官である反町の手腕が第一であったことは間違いない。が、その反町を陰で支えるGM、加藤善之の存在を看過すべきではないだろう。決して豊かとは言えない米櫃を、いかにやりくりしながら松本を躍進させたのか。GM就任から6年目を迎えた加藤に話を聞いた。

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