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Jリーグ 10年前

虚無感に包まれた埼玉スタジアム。無観客試合によって再認識したJリーグの魅力と進むべき道

text by 桑村健太 photo by Asuka Kudo / Football Channel

2014年3月23日を日本サッカー再出発の日に

虚無感に包まれた埼玉スタジアム。無観客試合によって再認識したJリーグの魅力と進むべき道
【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 浦和のサポーターは当面、スタジアムでの横断幕やフラッグ、旗、装飾幕等の掲出を禁止されている。しかし、失った信頼を取り戻すために、おそらく彼らは全力を尽くす。あの地響きのような声量で愛するチームを後押しし、その応援になおいっそう力を注ぐはずだ。

 実際、彼らが演出する極上の雰囲気には、心を揺さぶられることが多々ある。統制のとれたあの手拍子、相手チームを萎縮させるような野太いあの声、そして、毎度見事に描かれるあのコレオグラフィー。埼玉スタジアムでの浦和戦を観戦する度、競技とは異なる部分でのサッカーの素晴らしさを私は身をもって体感するのである。

 そしてそれらは、言うまでもなくサポーターがいて初めて生まれるサッカーの美しさなのだ。

 浦和のオフィシャルソング『We are Diamonds』には次のような一節がある。All Together Hand in Hand―。

 その歌詞が示すように、スタジアムとは誰もが手を取り合い、老若男女が集う最高の共有空間であるはずだ。この国にはこれほど魅力的な財産がある。浦和レッズ、ひいては日本サッカーに携わる全ての人にとって2014年3月23日という日を再出発の日にしなければならない。Jリーグに差別は必要ない。

【了】

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