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Jリーグ 10年前

英国人記者が語る日本のスタジアム問題。「日産スタは雰囲気足りない。横浜に3万人の屋根付きスタあるといい」

text by 海老沢純一 photo by Kenzaburo Matsuoka

伝統あるスタジアムは地域密着にも役立つ

――日本にあるサッカー専用スタジアムは、イングランドに例えると、どのカテゴリーの雰囲気に近いでしょうか?

「イングランドも2種類に分けています。プレミアリーグのスタジアムは素晴らしいですが、地元の人間にとっては馴染みのある物では無いです。自分たちの物だと感じることはなかなか無いですね。チームも多国籍ですし。

 もう一つは、伝統あるスタジアムでやっているチームです。Jリーグでは、日立台、NACK5、ヤマハ、日本平といったスタジアムですね。イングランドでいえば、チャンピオンシップ以下、リーグ1やリーグ2、カンファレンスに近いのではないかと思います。

 その辺のクラブは、Jリーグのようにホームタウンを大切にし、地域に密着した意識が強い。プレミアのクラブにはその意識は薄くなっている。プレミアで本当にホームタウンの雰囲気があり、おじいちゃんやおばあちゃんが好きなのは、サウサンプトンやスウォンジー、カーディフくらいですね。カーディフはおかしなことになってきているけど(笑)。

 そういった、地方都市のクラブです。まあ、またすぐ降格するかも知れないけどね(笑)」

【了】

プロフィール

マイケル・プラストウ
1959年、英国ウェスト・サセックス州のクロウリー出身。1980年の来日以来、30年以上日本サッカーを見守っている。1991年からはイギリスのサッカー専門誌「World Soccer」の駐日記者として、日本代表、Jリーグを取材。日本サッカーの魅力世界に発信している。また、NHK国際局などで、放送原稿の執筆、翻訳業務を担当。群馬大学、日本大学の講師も歴任。著書に「FOOTBALL ENGLISH―サッカーを愛するあなたに捧げる用語と写真」ほか多数。

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