クラブの力に影響する資金力
2014年3月12日、ボルシア・ドルトムントの練習場を訪れた。とあるドルトムント・ファンに、なんとはなしに訊ねてみる。
――どうしてあんなにバイエルンは強いんだ?
「金だよ、金」
返ってきたのは、ミもフタもない答えだった。
確かにプロ・サッカーの世界はビジネスであり、金の話がつきまとう。ちょうどその頃、元バイエルン・ミュンヘン会長のウリ・ヘーネスが脱税で世相を賑わせていたが、そういった黒い話でなくとも、そもそも資金がなくてはチーム運営を成り立たせることは出来ない。客寄せ、スポンサーの獲得、マーケットの開拓、選手の売買…金の出入りで、クラブは成り立っている。
2014年3月25日ブンデスリーガ第27節、ドルトムント対シャルケ、84回目のルール・ダービーが行われた。永遠のライバル同士の一戦は、白熱の攻防の末0-0のドローに終わった。ブンデスリーガでは28節を終えてドルトムントが2位、シャルケが3位につけている。
そしてCLではドルトムントが準々決勝へと駒を進め、シャルケはベスト16に留まった。わずかではあるが、戦績でドルトムントがシャルケを上回っている。それは単純にピッチ上の戦力の違いとも言えるが、大元を辿れば、チームの資金力の差とも言えるだろう。
ダービーの前日、3月24日付のKicker誌は、「Der grosse Derby-Check(大きなダービー・チェック)」として、ドルトムントとシャルケを様々な面から比較するデータを掲載した。両チームのこれまでのブンデスリーガ、CLの戦績といった様々な項目の中に、お金に関する数字も記載されている。少し覗いてみよう。