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バルサ移籍禁止処分問題。無効化されるグレーゾーン、久保君らスペイン在住の日本人選手に与える影響

バルセロナに科された移籍禁止処分。FIFA規約のグレーゾーンで認めてきたスペインサッカー界だが、今回の処分でドラスティックに変わることが既定路線となっている。久保健英君らスペイン在住の日本人選手に与える影響とは?

text by 小澤一郎 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

数十名存在。スペインに18歳未満の日本人が多い理由とは?

 4月2日にFIFA発表したバルセロナに対する今後1年間の選手移籍(補強)禁止処分の影響で、バルセロナは先週末、久保健英君をはじめとするカンテラ(下部組織)在籍の外国人選手の公式戦出場を自粛させた。

 FIFAの移籍条項第19条には「国際移籍は18歳以上の選手にのみ許される」と明記されており、18歳未満の未成年の国際移籍が認められる例外は以下の3つとFIFAが規定している。

【1】「両親が仕事(サッカー以外)の理由でクラブのある国に移住した場合」
【2】「16歳以上18歳未満のEU圏内で移籍する場合」
【3】「自宅が国境から50キロ以内にあり、国境から50キロ以内にある隣国のクラブに移籍する場合」

 日本人選手が18歳未満で国際移籍する場合、【2】と【3】の例外は適用されないため、唯一親が仕事を理由に移住しない限り成立しない。しかし、バルセロナのバルトメウ会長が会見で明かした通り「カタルーニャ州だけで1万5千人」もの規定違反となり得る外国人選手がプレーしており、私の知る限りスペインにサッカー留学している18歳未満の日本人選手は数十名存在する。

 スペインに18歳未満の日本人選手が多い理由は、学生ビザの取得が欧州の中では比較的スムーズであり、スペインサッカー連盟ではなく各州サッカー協会の管轄になる16歳未満のリーグにおける外国人選手の登録が既成事実として認められてきたことにある。

 また、両親不在でも保護者役を務めるチューターを証明できれば学業面でスペインに移住し、就学できるという規定もあるため、単身でスペインに暮らす18歳未満の日本人選手も多いのが現状だ。

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