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本田圭佑 10年前

カカーが本田のイタリアでの成功を明言「実力も経験も十二分。期待以上の仕事をすると信じている」

text by クリスティアーノ・ルイウ photo by Shinya Tanaka

2人のトップ下は共存できるのか?

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2人のトップ下は共存できるのか【写真:田中伸弥】

――とはいえやはり「10番」は決して軽くはない。ミランを知り抜く一人の先輩として、今この段階で本田にアドバイスするとすれば?

「とにかく落ち着いてプレーするってことに尽きるんだろうね。それこそ周囲が何と言おうがその一切を気にすることなく。彼らしくシンプルに。

 もちろん、10番だからこそ求められる仕事の質は高いのだけれど、さっきも言ったように、本田ならば必ず、“一定の時間”さえ掛ければ周囲の期待に沿うどころかそれを超える仕事を見せてくれると僕は信じている」

――では、実際のプレーにおいて君と本田に監督セードルフは何を求めているのか。アッレグリ指揮下とは違い4-2-3-1となった中で、その「3」の右が本田、そして中央がカカー。どのような役割分担を監督は指示しているのだろう。

「細かな指示も要求もない。これが実態だよ。攻撃に関して監督が何か特別な動きを要求することはないし、むしろまったくの逆とさえ言っていい。僕ら前線の選手たちにはほとんど最大限と言っていいほどの自由が与えられている。なので、大切なのはあくまでもチーム全体としての一体性というか、常に自分たちの側から仕掛けて行くというメンタリティの共有ということになる。

“プレス”がまさにそう。いわゆる“ポゼッション”と“高い位置”でボールを奪うことが戦い方の基本とされるのだから、僕らFW陣(4枚)だけではその“ポゼッション”も“プレス”も決まらないのだからね。

 とにかく、こと僕と本田のプレーに関して言えば、ここイタリアで言うところの『互いの足を踏み合う(過度にポジションが重なることで互いの良さを潰し合う)』として批判もされるんだけど、でも実際には、例の“自由”が与えられているからこその結果であって、当の僕らからすればむしろそれは“より多くのコンビネーション”を生もうとする上で極めて有効だと考えているんだ。

 この辺りの連携というか流れが今よりもスムーズになればミランの攻撃は確実に今よりも機能的になるはずだよ」

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