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FIFAもようやく重い腰を上げ…。カタール、W杯買収劇の裏側。誰に、いくらで票を買ったのか?

text by 田村修一 photo by Getty Images

プラティニとブラッターとの間の密約

 スポルト・ビルト誌によれば、クリスチャン・ウルフ大統領が複数のドイツ協会幹部に、フランツ・ベッケンバウアー(当時FIFA理事)にカタールに投票するよう説得する要請をしたという。投票の2ヶ月前には、カタール首長がベルリンの城を借り切り、盛大なレセプションを開催してウルフ大統領とアンゲラ・メルケル首相を招待した。だが、そうした圧力にもかかわらず、ベッケンバウアーはカタールに票を入れなかった。

FIFAもようやく重い腰を上げ…。カタール、W杯買収劇の裏側。誰に、いくらで票を買ったのか?
プラティニとブラッターの間に浮上した密約疑惑。次期FIFA会長にプラティニがなり、ブラッターは名誉会長として残るというものだ【写真:Getty Images】

 一方、カタール支持を公言してはばからず、11月23日(投票の9日前)にエリゼー宮でニコラ・サルコジ大統領(当時)、カタール皇太子と秘密の会合を持ったことをFFにすっぱ抜かれ、激怒したミシェル・プラティニUEFA会長も、後に「彼らが(パリSGのカタール資本への売却やアルジャジーラによるテレビ局の創設と交換に)カタールに票を入れて欲しがっている無言の圧力は感じた」と語っている。

 そしてプラティニとブラッターの間には、ある密約がすでにできているという。それはプラティニが次期FIFA会長に立候補を決めた際は、ブラッターは彼を全面支援する。そして当選した暁には、ブラッターに名誉会長の椅子を用意し、引き続き理事を続けることを認める、というものである。

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