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日本代表 10年前

キプロス戦は共にノーゴール。柿谷と大久保、ワントップ争いで優位に立ったのは?

5月28日、日本対キプロスの一戦が行われ、1対0で日本が勝利した。コンディション調整の意味合いが強かったこの試合。唯一波が立つとすればワントップ争いだ。先発の柿谷と交代の大久保。彼らのパフォーマンスはどうだったのだろうか。

text by 植田路生 photo by Getty Images

いい“調整”のスタートを切ったザックジャパン

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スタメンで1トップに入った柿谷【写真:Getty Images】

 厳しい指宿合宿を経て、コンディションは今が最悪の時にある。キプロス戦の目的は結果ではなく、あくまでも状態の確認。そして悪いながらも今まで構築してきたことができるのかどうか。ザッケローニ監督が口にした“復習”だ。

 負傷明けで心配されていた内田篤人、長谷部誠、吉田麻也のうちこの日は内田だけが先発。ほか二人は後半から出場した。出来栄えとしてはまずまずで、あと2試合を経ることで十分トップコンディションにもっていけるだろう。

 全体としてもそこまで悪い内容ではなかった。連携で合わない部分があったが、イメージに体が付いてこなかったことによるミスではないか。一対一で競り負ける場面も少ない。W杯へ向けての調整はいいスタートを切ったと言っていい。

 ここで非常に悪い出来であれば4年前のように路線変更も考えられたが、その心配もない。新しいことはせず、継続して取り組んできたことでW杯に挑むはずだ。それが確認できた試合だった。

 唯一動きがあるとすればワントップ争いだ。これまでは柿谷曜一朗と大迫勇也が候補で起用法からわずかに柿谷がリードしていると思われた。キプロス戦でも先発は柿谷だ。ザッケローニ監督が“復習”をテーマに掲げていたこの試合。指揮官の頭にはファーストチョイスとして柿谷があったのだろう。

 だがこの日、柿谷と交代で試合に入ったのは大迫ではなく大久保嘉人。この選択には大きな意味がある。

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