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カメルーン対クロアチアにも当てはまる部分が――。得点傾向から見る八百長試合の傾向

text by 編集部 photo by Getty Images

八百長の仕組み、分析できるか?

カメルーン対クロアチアにも当てはまる部分が――。得点傾向から見る八百長試合の傾向
通常試合と八百長試合における得点のタイミング

 選手がどんなふうに八百長について話し合っているのかをまとめて読むのは興味深い。エドウィン・サザーランドによる分化的接触にぴったりの例だ。年上の選手が若い選手にどう八百長試合でプレーするのかを指導している。

 八百長試合でのパフォーマンスは、部分的には状況次第だという意見もある。言い換えると、精巧に練られた計画は理屈的には素晴らしい。だが現実の試合となると、選手は単純に八百長を実行するチャンスがあれば、生かす必要がある。カステル・ディ・サングロの選手は、2~3点目のゴールを「展開にもよる」と話していた。

 では、成功した八百長試合の仕組みを分析することは出来るのだろうか。汚職選手はチャンスを当てにしているのか、またはゴールのタイミングに特定のパターンがあるのだろうか。

 通常試合のゴールのタイミングと、同じくらいのタイミングなのか、早いのか遅いのか。これを調べるために、試合を10分で切った(1試合90分なので9つに分けられ、さらに得点数も加えた)。図はその結果を示した頻度曲線だ。

 Y軸は、八百長または通常試合でのゴール率。X軸は10分ごとに分けた時間だ。丸い線は、調整型の八百長試合、つまりクラブ関係者が首謀者(汚職者)であることの多い八百長試合で得点が入ったタイミングだ。

 三角の線は、賭博型の八百長試合で得点が入ったタイミングを示している。ひし形の線は、通常試合つまり対照群で得点が入ったタイミングだ。10分から81分まで、試合の種類による大きな違いはない。

 図には大事なポイントがいくつもある。まず、試合開始後の10分だ。カステル・ディ・サングロ対バーリの八百長試合のように、賭博型の八百長試合でも通常試合でも、かなり高い確率でゴールが生まれている。調整型の八百長で起きるこの傾向は説明出来るかもしれない。

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