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日本代表、4年後へ向けた3つの課題。「自分たちのサッカー」「戦術理解度」「無意味な親善試合」

日本代表はブラジルで敗れた。果たして、何が敗因だったのか。そして4年後に向けての課題とは? 弱点を直視し、改善していかなければならない。

text by 植田路生 photo by Getty Images , Asuka Kudo / Football Channel

避けるべき二元論

 日本代表は1分2敗でW杯を終えた。結果を見れば惨敗ではあるが、これを受けて日本サッカー、ザックジャパンの4年間を全否定する必要はない。重要なのは課題を分析し、次の4年、あるいは未来に向けて改善策を考えていくことだ。

【課題1】固執し過ぎた「自分たちのサッカー」

日本代表、4年後へ向けた3つの課題。「自分たちのサッカー」「戦術理解度」「無意味な親善試合」
コートジボワール戦では1点をリードし、相手が焦って攻めてくることは容易に想像できた【写真:Getty Images】

 ザックジャパンは戦い方が一つしかなかった。自分たちでボールを保持し、パスワークで相手を崩していく。これが選手たちの言う「自分たちのサッカー」だと思われるが、これだけではW杯で勝つことはできなかった。

 日本代表には2つの過ちがあった。1つは守りのオプションがなかったこと。コートジボワール戦では1点をリードし、相手が焦って攻めてくることは容易に想像できた。2点目をとりにいくにしても、失点に注意しながら攻撃すべきだった。スペースは十分に空いていたのに、「ひたすら攻める」という選択しかなかった。

 2つ目は守りのオプションがないのに意識が「後ろ向き」になったこと。相手の圧力に押され、日本はズルズルと下がってしまった。南アの時のように跳ね返す力が強いチームでないのに全体が下がってしまっては、相手がどんどん攻めてくる。敵が想定より強かった場合、どのように試合を進めるか、突き詰めなくてはならない。

 ポゼッションか、カウンターか。攻撃的か、守備的か。などの二元論は避けるべきだ。ポゼッションを主体としながらも、リスクを回避しながらカウンターの機をうかがうことは必要となる。

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