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本田圭佑 10年前

攻守に完成度の低いミラン。本田も印象に残らず“空気”に。精度低すぎるFKへの欲望は捨て去るべき

米国で行われているプレシーズンのカップ戦「インターナショナル・チャンピオンズカップ」。ACミランは、第2戦でマンチェスター・シティと対戦して1-5と惨敗。大量失点による連敗を喫したインザーギ新体制は新シーズンまでに完成度を高めることが出来るのだろうか。

text by 海老沢純一 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

練習生にもゴールを決められる脆弱な守備陣

 ACミランとマンチェスター・シティ。かつて世界の頂点に君臨したクラブと世界の頂点を目指すクラブ。プレシーズンマッチとは言え、両者の差は強豪と弱小と言えるまでに広がってしまったようだ。

 ミランは、この試合でGKアガッツィ、DFデ・シリオ、ラミ、コンスタン、アレックス、MFクリスタンテ、ムンタリ、ポーリ、FW本田、エル・シャーラウィ、ニアンが先発。

 DFラインからビルドアップを試みてパスを回すものの、前線に出し所がなく窮屈なパス回しに終始。本田がボールキープでタメを作っても、エル・シャーラウィがドリブルで突破を図ってもアタッキングサードまで持ち込むことが出来ない。

 対するシティは、GKカバジェロ、DFコラロフ、ナスタシッチ、ボヤタ、クリシ、MFフェルナンド、スクリーニ、シンクレア、ヘスス・ナバス、FWヨベティッチ、練習生のイヘアナチョが先発。

 効果的なサイドチェンジや縦のロングパスを織り交ぜることによって少ないタッチ数でゴール前まで運んで質の高い攻撃を繰り出す。前半11分のヨベティッチによる先制ゴールは、わずか2本のパスを得点につなげた。

 そして、練習生のイヘアナチョもゴールを決めるなど一気に3点を挙げて理想的な展開で後半に進んだ。その様子は、強豪クラブが調整のために格下のクラブを呼び、自分たちの形を確かめながら淡々とゴールを決めていく“プレシーズンマッチ”そのもの。

 名前だけを見ればチャンピオンズリーグ決勝トーナメントでも違和感のないカードとは思えない試合ないようだった。

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