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Jリーグ 10年前

英国人記者が指摘。大きすぎる味スタは東京Vにとって有害。浮上のためにはホームを西が丘へ移転せよ

text by ショーン・キャロル photo by Kenzaburo Matsuoka

大会場でのホームゲーム開催はクラブにとって有害

英国人記者が指摘。大きすぎる味スタは東京Vにとって有害。浮上のためにはホームを西が丘へ移転せよ
東京ヴェルディ・三浦泰年監督【写真:松岡健三郎】

 試合後、三浦泰年監督に対して、このこと(西が丘で試合をすることが勝利に繋がるか)に同意するか尋ねた。

「そういう雰囲気を作ったのが偶然会場でありサポーターであり、周りで支えてくれるスポンサー含め、関わる人たちの作ってくれる雰囲気だと思う。

 正直、ここのピッチは素晴らしい芝生をキープしてくれているし、今我々のために集まるサポーターにとっては非常に良い大きさのスタジアムです。

 我々のホームグラウンドとしては味の素スタジアムを持っているので、そこで同じような雰囲気を作っていくのが我々クラブの使命」

 この49歳の指揮官の意見は簡単ではない。彼らは、2014年に味の素スタジアムで9試合を戦い、わずか1試合しか勝てておらず、ホームスタジアムの空虚は選手に大きな影響を及ぼすようだ(逆に、彼らは西が丘で2戦2勝を挙げている)。

 しかし、そのように単純なものなのか? 私は、デイブ・フィリップス(リヴァプール大学でサッカー産業MBAを取得したJリーグクラブの財務状態に関する専門家)にヴェルディに関する意見を求めた。

 彼は、特に経済状況を心配しておらず、「より多くのファンが入場ゲートをくぐることを最優先に考えなければならない」と提案した。

「彼らは2013年のJ2で5番目に高い収入があったが、ガンバ大阪とヴィッセル神戸がいたことを踏まえなければならない」とフィリップスは言った。

「広告収入とチケット収入は地味ながら安定している。後者に関しては低い位置での安定だけど…。そのため、クラブとして動員を増やすために何が出来るのかを考えなければならない。

 その答えはたくさんあり、簡単だ。だた、FC岐阜と松本山雅をコピーしてはいけない。確実に失敗するだろう。しかし、若干の要素は取り入れても良い」

 クラブの資金と出資先をチェックしてみると、フィリップスは大会場でのホームゲーム開催はクラブにとって有害だと言う結論に達した。

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