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日本代表 10年前

アギーレ流4-3-3は変則システムか。代表23人から読み解く新監督の意図と目指すスタイル

昨日発表された日本代表23人。フレッシュのメンバー選考となったが、この23人から見えてくるものとは何か? 選手の特徴、そして監督の考えから、アギーレジャパンのスタイルを読み解く。

text by 河治良幸 photo by Getty Images , Asuka Kudo / Football Channel

6人が名を連ねたFWにかなりの違和感

 ハビエル・アギーレ監督が就任して最初の日本代表メンバー発表が行われた。5人が初選出、10人がブラジルW杯のメンバー外だが、アギーレ監督は「ゼロからのスタート」とし、スタッフと相談しながらも実績にとらわれず選考したことを強調した。「質の高さ」を基準としてあげたアギーレ監督だが、彼の言う質の高さとは何か。

「1人が約2分ボールを持つとすると、88分間はボールを持っていない。その88分の中で、選手たちは何をしているのか。私はそれを見る」

 そう語ったアギーレ監督のベースとして、ボールを持っていない時のかしこく献身的な動きがあるのは過去に率いてきたチームを見ても明らかで、ボールを持つ2分間の技術もそこに付いてくるものだ。もちろん90分を通して走れるスタミナも必要だが、それをチームのためにどう使っていけるかが定着のポイントになる。

 アギーレ監督はシステム(フォーメーション)に関して「基本は4-3-3を考えている」と語った。試合の状況に応じてフレキシブルに複数の形を使うことを強調したが、どんなチームでもベースになるものは必要になる。特に最初の段階では1つフォーメーションを決めて、基本的なコンセプトを選手に伝えていくはずだ。

 その視点で今回のメンバーを見た時に4-3-3をそのままフラットに並べると、6人が名を連ねたFWにかなりの違和感がある。そもそもアギーレ監督は2000年以降に率いたチームで、ウィングを固定的に配置する4-3-3をメインに使っていない。4-3-3の前の「3」は前方にアタッカーを3人置くという意味で、一般的にイメージされる構図とは違うのではないか。

 その場合、アギーレ監督が基本の形として考えているのは日本で言われるところの“1トップ2シャドー”か、中央の選手がやや引いたポジションを取る3トップだ。前者の4-3-2-1は実際にアギーレ監督がメキシコ代表でメインとしており、フランスを破った試合でも用いていた。いわゆる“クリスマスツリー”で、中央を起点にワイドな攻撃を仕掛けられ、守備のバランスも取りやすい。

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