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悔し涙もすべて自分の糧に。浦和レッズを牽引、成長を続ける猶本光の存在感

text by 馬見新拓郎 photo by Getty Images

「5月の自分とは少しは違うプレーが見せられる」

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猶本が流す涙の先には、大きな舞台が待っている【写真:Getty Images】

 今季のなでしこリーグ・レギュラーシリーズ開幕戦では、I神戸に勝利して泣き、そしてレギュラーシリーズ最終節では優勝を逃してまた涙した。これらは、いずれも質の違う涙だ。

思えば、なでしこジャパンのエースFW大儀見優季(チェルシーレディース/イングランド)も、日テレ・ベレーザ時代には、これまでたくさんの試合で涙してきた。途中交代を告げられてベンチで泣いていたことも、1度や2度ではない。

 今週末にはなでしこリーグのエキサイティングシリーズが開幕し、今季の真の優勝チームを決する戦いが始まる。浦和が第1節で迎えるのは、今季よくも悪くもターニングポイントとなったI神戸戦だ。

 そしてエキサイティングシリーズ第2節までを消化すると、猶本は再び代表のユニフォームに袖を通し、アジア競技大会(韓国・仁川)を戦う。

「5月の女子アジア杯(ベトナム)は、味方のDFラインがボールを持った時の関わり方で、戸惑った部分があった。レッズに帰ってきてからも、そこを意識して取り組んできたつもり。5月の自分とは少しは違うプレーが見せられると思う」

 なでしこジャパンの2010年アジア大会(中国・広州)優勝が、翌年の女子W杯(ドイツ)優勝につながったように、今年のアジア大会は翌年の女子W杯(カナダ)につながる。猶本が流す涙の先には、大きな舞台が待っている。

【了】

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