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日本代表 10年前

“慶應ボーイ”。先行したイメージを払拭、武藤嘉紀のパフォーマンス。流れを変えた高い意識

初の日本代表で結果を残した武藤嘉紀。当初は“慶応ボーイ”といった肩書きが注目されたが、その先行したイメージを払拭。2試合を通して高い意識を持って流れを変えるプレーを見せた。

text by 河治良幸 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

“良いプレーで結果も残した”FC東京の新星

「新しい代表選手が良いプレーをして、しかも結果を残した。他の選手はある程度の情報がある。W杯や欧州でのプレーは見ていたし、彼らは期待通りだった。この期間を通して何が良かったかと言えば、この新しい血が注入されたこと」

“慶應ボーイ”。先行したイメージを払拭、武藤嘉紀のパフォーマンス。流れを変えた高い意識
結果を残した”選手の1人が武藤嘉紀であったことは想像に難くない【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 ベネズエラ戦後にこう語ったアギーレ監督。メンバー発表の会見では「ゼロからのスタート」と語っていた指揮官だが、やはり代表未経験の選手に関しては経験者と別の視点で注目していたということだ。その中で文字通り“良いプレーをして、しかも結果を残した”選手の1人が武藤嘉紀であったことは想像に難くない。

 ウルグアイ戦と同じく途中投入された武藤は後半6分、岡崎慎司が競りかけ相手DFがクリアしたセカンドボールをうまく拾うと、そこからタックルにきたロサレスをかわし、左足を振り抜いた。

 代表で最初のゴールはアギーレジャパンにとっての初得点となった。もちろんFWとして得点という結果を出したことは素晴らしいが、武藤の評価として軽視できないのはビジョンの部分だ。

「前半は悪かった」と振り返るアギーレ監督は後半に向け、“テンポを上げる”ことと“プレッシャーをかける”ように指示を出したという。同時に投入した岡崎慎司と武藤にもそれらのメッセージが与えられたはずだが、指揮官は「ピッチの中で考えて、判断することを選手に強く要求する」とも語っている。

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