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フットボールマネーを追え!【06】クラブの収益源“胸スポンサー”。しのぎを削る中東3社。オイルマネー背景に存在感高める

シリーズ:フットボールマネーを追え! text by 小松孝 photo by Asuka Kudo / Football Channel

エティハド航空は世界規模に存在感を高める

 しかし、エティハド・スタジアムと呼ばれるスタジアムは、それだけではない。豪州メルボルンにある多目的スポーツ・スタジアムもエティハド・スタジアムと名付けられた。

 そこではオージーボールをはじめ、サッカーやクリケットなどの試合が行われ、週末ともなると多くのオージーたちに夢と感動を与えている。

 エミレーツやカタール同様、エティハドもアブダビからマンチェスター空港やメルボルン空港まで毎日、直行便を飛ばしている。

 そのほか、F1にも参戦し、アブダビで開催される一戦は、正式には『F1エティハド航空アブダビ・グランプリ』という。

 欧州サッカー上空を中心に、空中戦を展開する3社だが、彼らのマーケティング戦略には、共通のキーワードがある。『bland visibility(ブランド・ヴィジビリティ)』、つまりブランドの可視化である。

 しかし、彼らが見据える視線の先には、目に見えない目標もある。欧州に代わり、彼らのベースキャンプを世界のハブ空港にするという野望だ。

 ドバイは2,000年初頭、世界中の建設機械の40%を一手に集め、史上最大級のバブルとささやかれるなど、さまざまな意味で脚光を浴びたが、その当時、彼らの頭の中にはバブルという文字は存在しなかったのではなかろうか。

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