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日本代表 10年前

“極めてフェア”な0-4。ブラジル相手にイエローもなし。対応力、技術、アジリティで完敗した日本

日本代表は、シンガポールでブラジル代表と対戦して0-4と完敗を喫した。しかし、圧倒的な実力差がありながらイエローカードは1枚もなし。長所であるはずの速さでも対抗できず、多くの面で課題を残した。

text by 西部謙司 photo by Getty Images

ファウルもしないでネイマールを止める?

“極めてフェア”な0-4。ブラジル相手にイエローもなし。対応力、技術、アジリティで完敗した日本
ブラジル代表相手にどうやって止めるつもりだったのだろう?【写真:Getty Images】

 かつてスタッド・ドゥ・フランスで、0-5で負けた試合がある。サンドニの惨劇ともいうべき大敗だった。2000年アジア杯で初優勝した日本が、高くなりかけた鼻をへし折られた一戦だ。試合後、フランス人記者にこう言われたものだ。

「ファウルもしないで、どうやってジダンを止めるつもりだったんだ?」

 今回のブラジル戦は、サンドニのフランス戦とよく似ていた。

 ピッチコンディションが良くないこと、親善試合らしい緩い雰囲気、日本がなすすべなく大敗したこと。そして、極めてフェアだったこと。

 ブラジルとはポーランドで対戦して0-4、コンフェデレーションズカップで0-3、そして今回が0-4。内容は今回が一番悪い。最初の0-4は日本が無謀にも攻撃に出た結果だった。無謀なので点差は開いたが、日本の攻撃力も出せた。

 ここからどう差を詰めていくかという出発点としては悪くなかった。コンフェデ杯は少し引いてプレーして0-3、日本としては不完全燃焼だった。シンガポールでは最初から守備的にプレーしたのに4点もとられている。この戦い方なら、せめて1、2点差に抑えたかったが実力差がありすぎた。

 失点に関しては、ネイマールにファウルすることもできない状況だった。ただ、4点目はカカーが加速する前にファウル覚悟なら止められたかもしれない。これだけ力に差があるのに、日本のイエローカードは1枚もなし。本当にどうやって止めるつもりだったのだろう?

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