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フットボールマネーを追え!【09】重要なのは“懐具合”。莫大な金額に達する選手・監督の報酬。人件費率は70%超も

1人当たりの稼ぎ「EPH」は日本の上場企業と同等

 サッカーで『頭』と言ったら、ヘディングのことを指すが、一般企業が『ヘッド』という単語を用いた場合、もっともよく使われるのは『ヘッドクォーター』、つまり本社のことだが、もう1つ、『アーニング・パー・ヘッド(EPH)』という言葉もある。日本語に訳すと、従業員『1人当たりの稼ぎ(売上高)』のことだ。

 日本の上場企業を例に出すと、上場企業約4,000社の平均EPHは、2012年度統計で約4,430万円。

 業種の分類は国によって異なるが、日本の場合には33業種に分類される。そのなかで、もっとも大きな額を稼ぐのは、『石油・石炭製品』の2億9,234万円で断トツ。もっとも小さい業種は、『証券業』の1,175万円である。

 また非上場の中小企業の全国平均は、上場企業の約半分の2,000万円前後である。

 では、欧州サッカーの場合は、どうか。

 国内リーグを持たないリヒテンシュタインを除き、UEFAに加盟する53協会が管理するチーム数は、全部で711(各国のトップリーグのみ)。

 まず欧州5大国についてみてみると、5大国=98チームの12/13シーズンの売上は、9億8000万ユーロ(約1兆3328億円)

 チーム当たりの選手登録人数の平均を28人と仮定して、監督とコーチ、それにスタッフを含めると、1チーム当たりトップチームに関わる平均人数は、ざっと50人くらいにはなるだろう。

 これを元にEPHを計算すると、約2億7200万円という金額が弾き出される。この額を日本の上場企業のEPHに当てはめると、実に面白いことに、チェルシーやシティ、パリSGなどのオイルマネーを連想させるがごとく、『石油・石炭製品』とほぼ同額になるのだ。

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