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『怒涛の』オールコートプレス。鬼監督ビエルサの下、快進撃を見せるマルセイユ。群雄割拠のリーグ・アンが熱い!

プレシーズンではパリSGの1強と見られていたリーグ・アン。しかし、11節を終えてマルセイユが首位に立つなど混戦状態となっている。その原動力となっているのがマルセロ・ビエルサ監督が採用した3-3-3-1システムだ。

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

『ダイナミックなフットボール』を展開するマルセイユ

『怒涛の』オールコートプレス。鬼監督ビエルサの下、快進撃を見せるマルセイユ。群雄割拠のリーグ・アンが熱い!
マルセロ・ビエルサ監督【写真:Getty Images】

 夏のメルカートでの動きも鈍く、「ああ、また今季もパリ・サンジェルマンの一頭レースか…」と若干食傷気味だったリーグ・アンが、思わぬ群雄割拠状態になっている。

 その盛上げ役の筆頭に立つのが、マルセイユだ。

 アルゼンチン人の豪腕ビエルサが監督に就任した今季、新たに採用した独自の3バックシステムは序盤こそ機能させるのに時間を要し、開幕後の2戦は勝ち星がなかったが、3節からは連戦連勝。6節を終えて首位に立つと、現在もそのポジションをキープしている。

 ドリンクボックスの上にドカッと腰を下ろしてタッチライン際でゲキを飛ばす姿もすっかりお馴染みになったビエルサ監督が繰り出すのは、『ダイナミックなフットボール』だ。

 対戦相手の監督が白旗を挙げつつ漏らすのがこの言葉。

「雪崩のような彼らの勢いに飲まれた…」

 3-3-3-1の布陣でピッチを埋めるこのシステムでは、相手にほとんど自由なスペースを与えない。

 ここで肝となっているのが下から2列目に陣取るジャジェジェ、インブラ、メンディの3人だ。

 攻守の切り替えを担い、ほぼ90分間、走りっぱなしのこのラインに並ぶ彼らの平均年齢は21歳。「燃焼系なら任せてくれ!」の元気ハツラツ世代はいくらでも動く。

 ここから、トバン、パイエ、アユーと、より経験値も技術も高いトップ下ラインへとつなぎ、トップのジニャックが仕留める。

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